TOP > 生姜について > 生姜ができるまで

生姜ができるまで

1・生姜の栽培暦

項目/月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
主な作業

●生姜栽培のポイント

①無病の種ショウガを確保すること。
②適期に定植すること。
 (降霜がなくなったら早めに定植し、霜が降る前に収穫する)
③夏場の乾燥期にショウガの肥大を促すために土壌水分を適切に保持すること。
④ショウガの重要病害である根茎腐敗病を出さないこと。

●重要な根茎腐敗病の対策

①ダゾメット剤等による土壌消毒を行います
②地下水を利用した潅水
③排水対策
排水溝を多くとることと、心土破砕をおこない、排水を良くし、停滞水がないよう、土壌環境改善を行っています。
④圃場毎に履き物を変えます
病気を他から持ち込まない、広げないよう細心の注意を行っています。
⑤発病の症状が見られたら
早期防除、早期抜き取り処分を行い病害の被害拡大を防止しています。
⑥無病種ショウガの確保と植付け
一般栽培圃場から離れた畑地に種ショウガ専用の生産圃場を設け無病種ショウガの確保に努めています。

2・生姜ができるまで

① 土作り/土壌環境の改善及び堆肥散布(1月~2月)

●丁寧な土作り
12~1月にかけて有機物を投入し、冬期に2~3回耕起しておきます。
完熟堆肥は、2t以上の投与を行います。生姜作においては、1作当たり2t分の腐植消費が起こるため、お礼堆肥として2t以上の投与が好ましく、時期的にも1月~2月上旬で投与と耕起を済ませて、早めの土壌消毒作業へと移行します。
●効果
土壌診断に基づいた施肥設計の実践を通じ循環型農業の展開(畜産堆肥の活用)により土づくりが図られ生姜の品質向上と生産の安定につながり、更には、畜産地域と連携し、広域的な流通を行なうことにより、十分な量の良質な堆肥を確保し利用することが可能となっています。
また、地域内で生産される稲藁粗飼料の供給などの相互の連携による耕畜連携体制の構築に繋げることができています。
品質の安定として、それまで各農家が個人取引を行っており、堆肥の品質が劣悪なものも散見されましたが、JAやつしろ生姜部会が主体になることにより品質の保証・確認(成分分析)された均一な堆肥流通が促進され土づくりが進んでいます。

② 土寄せ後~分茎盛期(7月~9月)

●黄色防蛾灯の設置による害虫回避による減農薬の実施
生姜の中心加害害虫である夜蛾類の被害対策として黄色防蛾灯を導入し減農薬栽培を図っています。
薬剤防除の36回の散布回数を12回に抑えることができています。
今後の対策として、病気予防への薬剤散布がおくれる傾向にあるため、病害予防対策を再検討し、より安定した生産量の確保を行う必要があります。
●主要害虫
【ハスモンヨトウ】
葉が白変したり,不規則に食害される
【イネヨトウアワノメイガ】
茎の上部が萎れたり,心枯れ茎となる
【ネキリムシ】
茎が元から切断される
●外部からの土壌病害対策
人的な外部からの病害進入を防ぐため、圃場毎に長靴の履き替えや、消毒用ホースの設置などを行いながら、病害対策をとっています。
●主要病害
【白星病】
白色,円形~紡錘形の斑点ができる
【根茎腐敗病】
芽や地ぎわ部の茎が軟化腐敗,悪臭はない
【腐敗病】
地表に表われる前の芽,茎の地ぎわ部が軟化腐敗して悪臭を放つ
【立枯れ病】
株の生育が劣る。一次茎の下葉から黄化・枯死し,上方へ進展する。塊茎間を切ると導管部を中心に変色
【根茎腐敗病】
アメ色に腐敗する
【イモチ病】
褐色~黒褐色の斑点,条斑,斑紋ができる

③ 収穫作業(10月下旬~11月下旬)

●生産現場から
出荷量が全国第2位の熊本県八代地域のしょうが畑は渓谷状の段々畑に広がり、棚田百選に選ばれた地域もあります。
1970年代以降、水田を利用したしょうがの作付けが増加し、産地が形成され、現在では県内の出荷量の約4割を占めています。10月下旬~11月に収穫したしょうがを低温貯蔵庫で最大13か月貯蔵しながら、引取先ごとの出荷規格に応じて選果場内でカット作業等の加工を行い、販路に応じた販売出荷を行っています。
また、毎年、作柄を見極める品評会とともに、しょうがの収穫作業の開始を告げるしょうが祭りを開催しています。

↑ページトップ